一本鎖DNA(ssDNAまたはssODN)は、編集効率が高く、オフターゲットが少ない遺伝子ノックインをCRISPRを用いて行う際の優れた相同組み換え修復(HDR)のテンプレートです。
GenScriptは、CRISPRによるゲノム編集の効率を最大化するために、高品質でシーケンス検証済みのssDNAを提供しております。
「研究室でゲノム編集に使用するような高い濃度で長いssDNA配列を作成することは難しいため、我々は、GenScriptの長鎖ssDNAを使用し、大きなDNA配列を初代ヒトT細胞に導入することに成功しました」
-カリフォルニア大学サンフランシスコ校 Theodore Roth博士-
In collaboration with the Marson lab at the Gladstone-UCSF Institute of Genomic Immunology
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In collaboration with Dr. Brian Lin at Massachusetts General Hospital, USA
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* プレクリニカルグレードのssDNA合成では、バイオバーデン、エンドトキシン、タンパク残基の試験が追加可能。
CRISPR / Cas9技術は、ターゲットDNA上で正確な二本鎖切断(DSB)を作成するために広く使用されています。ガイドRNA(gRNA)は、Cas9と複合体を形成した後、ターゲットDNA上のPAM配列を認識し、Cas9はそのエンドヌクレアーゼ機能によりDSBを引き起こします。これにより、2つの修復メカニズムが起こります。1つは非相同末端結合(NHEJ)であり、DSBサイトに変異を導入します。もう1つのメカニズムは、相同組み換え修復(HDR)で、これによりドナーDNAを切断部位に挿入し、遺伝子ノックインを作成することが可能です。
HDRの際のドナーDNAとしてはこれまでに二本鎖のものがテンプレートとして使用されていましたが、最近の研究では、一本鎖DNA(ssDNAまたはssODN)がCRISPRによる遺伝子挿入、置換、および修正に最適であることがわかってきました1-5。二本鎖DNAと比較した場合、ssDNAは、特に初代培養細胞、幹細胞の編集やおよびトランスジェニック動物モデルの開発において、編集効率と特異性が大幅に向上し、オフターゲットが減少することがわかりました。
二本鎖DNAと比較した場合、ssDNAは、特に初代培養細胞、幹細胞の編集やおよびトランスジェニック動物モデルの開発において、編集効率と特異性が大幅に向上し、オフターゲットが減少することがわかりました1-5.
実験の目的と宿主細胞株に依存しますが、二本鎖DNAと比較した場合、ssDNAは、特に初代培養細胞、幹細胞の編集やおよびトランスジェニック動物モデルの開発において、編集効率と特異性が大幅に向上し、オフターゲットが減少することがわかりました。
点変異については非対称ssDNAデザインを使用することをお勧めします。詳細はこちらの論文を参照してください。より大きな遺伝子の挿入に関してはこれまでに300-1,000 bpの相同性アームが機能することが知られており、また、多くの場合500 bp程度の長さが機能することが知られています。また、二次切断を回避するためにsgRNA PAM配列を変異させるようなサイレント変異を含むテンプレートを作成することも重要とされています。 設計の際にはソフトウェアを用いてデザインすることをお勧めします。
300-1,000 bpの相同性アームが機能することが知られており、特に500 bp程度の長さが効率よく機能するとされています。
CRISPR/Cas9を用いた従来のKOマウスの作製は効率的にできますが、コンディショナルKO/KIマウスの作製は難しいとされています。
問題解決のために、下記のワークフローを参照してください。
GenScriptでは長さが3,000nt未満のシークエンスが日常的に合成されています、また、これまでに非常にGCの含有率の高い最大5,000ntのssDNAの合成にも成功しています。3,000nt以上のssDNAの合成をご希望の場合には弊社テクニカルサポート に連絡して見積もりを入手してください。
GenScriptで提供できる最大量はは1kb未満の場合には40µg、1〜3kbの場合は20µg、3 kbを超える場合には5 µgです。
凍結乾燥する前に、弊社では、最終的なssDNA合成品に対して2つの主なQC検査を実施します。1)ssDNAシーケンスの正確性を確認するためのサンガーシーケンス。 2)ゲル電気泳動によるssDNA産物の純度試験。
ssDNAの合成中、シークエンスの正確性を保証するために2度シークエンスを確認します。 最初に、シークエンスによって確認されたプラスミドDNAテンプレートを選択し、最終産物のssDNAの純度とシークエンスの精度を確保し、製品の均一性を確認します。
磁気ビーズおよびアガロースゲルによる精製を組み合わせ、高純度で高収量そして化学汚染ゼロを保証しています。
いいえ。合成されたssDNA製品は、完全長の配列確認済みのssDNA分子のみです。 GenScriptでは、独自の特許出願中の酵素を用いた合成アプローチにより、dsDNAの混入が検出できないレベルになっていることを保証しています。
一部のssDNA製品は、ヌクレオチド配列の性質により、分子間/分子内の力による強い凝集性を示す場合があります。
ゲルの画像でみられる複数のバンドがssDNA凝集体であるか、dsDNAのコンタミネーション化を判断するためには、dsDNAではなくssDNAを分解するS1 Nucleaseを使用して消化テストを行います。 dsDNAがない場合には、すべてのサンプルをS1 Nucleaseで消化後、ゲル電気泳動を行うとバンドが観察されません。製品にdsDNAのコンタミネーションがある場合には、S1 Nucleaseにより消化を行った後も、バンドが残っていることとなります。
さらに、この余分なバンドがssDNA凝集体であるかどうかを確認するためには、ゲル上のssDNAバンドを切り取り、再度ゲル電気泳動を行うこととなります。凝集したssDNAの場合には、精製後も複数のバンドが認められ、ssDNAバンドに対するその他のバンドの比率は同じままです。