300種類以上の修飾:アミド化およびアセチル化が不要
ビオチン標識、FITC標識、PEG化、メチル化、S-S結合、KLH複合体、BSA複合体、OVA複合体
弊社では、研究者の様々な要望に応えるため多種類のペプチド修飾を行っています。ペプチドを修飾することにより、安定性を向上させ、生物学的機能解明のために構造を変更し、さらに抗体の開発や製造のために免疫原性を増強させることが可能です。ペプチドの末端や内部に対する様々な修飾に加え、イメージングや検出のニーズに対応するためのペプチド標識やペプチド‐タンパク質の複合体作製も行っています。
ペプチドがタンパク質を構成するアミノ酸シークエンスの場合、C末端のアミド化やN末端のアセチル化により電荷を除去し、天然ペプチドを模倣(アミド、CONH2)することができます。さらに、この修飾によってエキソペプチダーゼにより分解され難くなり安定性が増します。
C末端ビオチン標識では、ペプチドのC末端にリジン残基を付加します。ビオチンはアミド結合によりリジン側鎖に付加され、その結果リジンの正電荷が除去されます。
フルオレセインイソチオシアネート(FITC)は、N末端の蛍光標識に用いる活性化前駆体です。標識を効率化するために、ペプチドのN末端に7原子のアミノヘキサノイルスペーサー(H2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-COOH)を付加します。
ぺプチドのシステイン残基どうしをジスルフィド架橋することによりペプチドを環状化することができます。ペプチドが多数のシステインを有している場合、ジスルフィド架橋が非特異的に生じるため環状化は通常容易ではありません。弊社では、特定のシステインどうしをジスルフィド架橋する技術を用い、3個までのジスルフィド架橋を形成することができます。
リン酸化ペプチドは、ペプチドやタンパク質のリン酸化による影響、およびプロテインキナーゼによる制御プロセスを調べるために有用です。弊社では、セリン、スレオニン、およびチロシンがリン酸化されたペプチドの多数の合成実績があります。ヒドロキシアミノ酸(1個または複数個)を含むペプチドでは、直交保護やFmoc保護により特定のヒドロキシル基を選択的にリン酸化することができます。
Read more »
タンパク質のメチル化は、転写、細胞分裂、細胞分化など、細胞の機能調節に関与する重要な修飾です。翻訳後N末端修飾はリジンやアルギニンの側鎖で生じます。メチル化タンパク質の代替として作用するペプチドは、タンパク質間相互作用の解明やX線回折による構造解析に有用です。弊社では、モノメチルリジン、ジメチルリジン、またはトリメチルリジンを含むペプチドを純度>98%で合成することができ、他のメチル化を組み合わせたペプチドも合成可能です。
ペプチドは、単独で免疫反応を誘発するにはサイズが小さ過ぎます。この問題を解決するために、ウシ血清アルブミン(BSA)、オボアルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)などのより大きなキャリアータンパク質をペプチドに結合させます。KLHの利点は、ブロッキング試薬には使用されないため、ELISAやウェスタンブロッティングでの反応を阻害しないことです。一般的な結合方法の1つはマレイミド法です。この方法は、ペプチドのN- またはC-末端にシステイン残基1個を付加することにより、キャリアータンパク質を結合させるものです。
注: KLHは大分子量(MW = 4*105 to 1*107)の凝集タンパク質です。この分子量の大きさとタンパク質構造ゆえに、水には溶け難く懸濁します。しかし、免疫原性に影響はなく、濁った溶液のまま免疫反応に使用することができます。KLHの結合反応後に溶液中に沈殿物が認められた場合は、さらなる懸念を回避するためにペプチド-KLH複合体溶液を冷却梱包します。
PEG化では、高分子物質(抗体、ペプチドなど)にポリエチレングリコール(PEG)を共有結合させます。PEGは非イオン性、非毒性、且つ生体適合性を有する高親水性ポリマーです。PEG化された高分子物質は治療特性が増強されます。これは、疎水性薬剤では溶解性が増すことで生物学的利用能が向上し、抗原性がマスクされることでホストの免疫反応が抑制され、さらに腎クリアランスが低下することにより循環時間が延長される作用によるものです。
NMR測定のための安定同位体によるペプチド標識です。研究において検出に便利な2H、15N、13Cの利用が可能で、15Nと13Cによる二重標識も可能です。標識のご依頼は、オーダー時にアミノ酸配列とご希望の安定同位体を記入し、弊社までご依頼下さい。
9. MAPS
多重抗原ペプチドは、高力価の抗ペプチド抗体や合成ペプチドワクチンの産生に用いられます。リジンのα-やε-アミノ酸のアミノ基により骨格を形成することで複数のペプチドを結合させることができます。付加されるペプチドの数は、リジンの力価に依存して多様です。この方法では、キャリアタンパク質に抗原を結合させる必要はありません。
すべてのペプチド合成は、弊社の厳格な品質管理によって品質が保証されています。アミノ酸配列、純度、および数量が仕様を満たしていることを確認した製品は凍結乾燥され、QC結果と共にお届けします。