WHOは、「 Coronavirus disease 2019 (COVID-19) Situation Report – 43 」にて、2020年3月3日午前10時(CET 3月3日)までの間に、 COVID-19が、 中国以外の72カ国にて10,566人に確認され、 166人の死亡をもたらしたことを、報告しました*。WHOにより、世界的な高レベルのリスクと設定されています。シンプルで正確な診断方法により、COVID-19の拡大を迅速に抑制し、患者さんにタイムリーに治療を行うことができます。一方で、ワクチンや抗体の開発も急務となっています。
* 現在のコロナウイルスの最新情報については、WHOやCDCのホームページをご覧ください。
弊社のサービスや製品をご確認頂き、研究に貢献できましたら幸いです。多くの商品は在庫を保有しています。
COVID-19に対する当社の対応についてはこちらをご覧ください。どのようにして当社が、従業員、その家族、地域社会の健康と福祉を守りながら、研究者にサービスを提供し続けるかという事をご紹介します。
オミクロン株関連製品はこちらをご覧ください
More detail »
Figure from: Cryo-EM image of BetaCoV2019-2020.Courtesy: IVDC, China CDC
2020年1月21日、米国疾病対策センター(CDC)は、先月中国・武漢で発生した新型コロナウイルスの米国初の感染例を報告した。米国への新型コロナウイルスの到着は、タイ、日本、韓国、台湾で報告された感染例に続いて、世界的な拡散における懸念を更に高めます。専門家らによって、新型コロナウイルスは、人と人との間で感染することが確認されており、ウイルスをコントロールすることは非常に困難な可能性があることを示しています。
培養されたウイルスや複数の肺炎患者から採取したサンプルを、次世代シークエンシング(NGS)により解析した結果、武漢の肺炎患者の原因となった病原体は、 新型のbetacoronavirus(SARS-CoVやMERS-CoVと同系統)であることが確認されました。電子顕微鏡検査の結果,このウイルスは特徴的なクラウン形態を持つコロナウイルスであることも明らかになりました。
このbetacoronavirusのゲノム配列は、特異的な診断テストの開発、および介入の必要性を特定するために非常に重要です。このウイルスの完全なゲノム配列データは、NCBI (https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/MN908947 )で公開されており、入手可能です。現在、配列情報を利用して、新型コロナウイルスを検出するための遺伝子増幅(PCR)アッセイ法が開発されており、また、リアルタイムPCR(qPCR)アッセイを用いた診断キットが市販され、急速に普及してきています。確定症例数の急増の背景には、検出法がタイムリーに出現したという事もまた一因と考えられます。
qPCRによる基本的なウイルス検出方法を以下に示します。
Step 1:
患者から新規コロナウイルス(2019-nCoV)を単離し、そのゲノムを配列決定する。
Step 2:
2019-nCoVのゲノム配列をヒトゲノム等と比較し、ウイルスゲノム中の特異的な配列を見つける。
Step 3:
ステップ2で同定した特異的配列を検出するためのPCR増幅プライマーと蛍光プローブを設計する。
Step 4:
感染が疑われる個人の血清からRNAを抽出し、そのRNAをcDNAに変換する。そして、このcDNAを鋳型とし、PCRプライマーやプローブと混合して増幅する。蛍光シグナルが急激に増加し、Ct値が基準値以下であれば陽性と判定し、蛍光が検出されない場合や、蛍光シグナルの増加が緩やかでCt値が基準値以上であれば陰性と判定する。
2020年1月17日、WHOは新型コロナウイルスに関連する肺炎の疑いがある患者の検査に関わる検査施設やステークホルダーに対する、中間ガイダンスを提供しています。