概要

GenScriptは、ペプチド合成および精製プロセスにおいて、質量分析および析高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析を含む総合品質管理テストを行います。 通常の用途にはこれらの試験で十分ですが、ある種のアッセイで使用されるペプチドは、追加の分析を必要とする場合があります。 例えば、細胞アッセイ用のペプチドはTFA Exchangeサービスを必要とし、 疎水性ペプチドは、溶解性試験を必要とします。以下のサービスをクリックして詳細を確認し、カスタムペプチド合成とAccupep QC +カスタマイズサービスの見積もりをリクエストしてください。

AccuPep+QC チャート

溶解性試験
内容
お勧め
溶解性試験

3種類以上の溶媒を体系的に検討してペプチドを最適な溶媒中に溶解し、溶液中のペプチド濃度を測定します。試験報告書には、最高ペプチド濃度が得られる溶媒の詳細が記載されています。

5AAかつ以下アミノ酸の割合が全体で>50%となる疎水性ペプチドの場合にお奨めします

  • Tryptophan
  • Isoleucine
  • Leucine
  • Phenylalanine
  • Methionine
  • Valine
  • Tyrosine
トリフルオロ酢酸(TFA)Exchangeサービス

TFAは、ペプチドを支持体から切り出す最終段階で多く使用される溶媒です。このため、精製後も微量なTFAが残存していることがあります。イオン交換クロマトグラフィーで処理することにより、残留TFAを分離・定量することができます。

以下のいずれかの目的で使用する場合にお奨めします。

  • 細胞を用いたアッセイ
  • APIフォーミュレーション(Active Pharmaceutical Formulation
  • 市販品
カウンターイオン定量分析

ペプチド合成の調製過程で使用する酢酸、塩酸塩やトリフルオロ酢酸などにカウンターイオンが含まれていることがあります。合成ペプチド調製液中に残存する様々なカウンターイオンは、イオン交換クロマトグラフィーを用いて分離・定量します。

以下のいずれかの目的で使用する場合にTFAカウンターイオンも合わせて変換することをお奨めします。

  • 細胞を用いたアッセイ
  • APIフォーミュレーション(Active Pharmaceutical Formulation)
  • 市販品
アミノ酸分析

ペプチドは、酸性下で加水分解されフリーのアミノ酸になります。アミノ酸の誘導体化を行った後、逆相高速液体クロマトグラフィーによりアミノ酸誘導体を分離しUV検出器で特定し定量します。

アミノ酸分析が必要な状況::

  • 合成したペプチドのアミノ酸組成を確認する場合
  • 分析結果の正確度と一貫性検証のためにペプチドの実質量を正確に測定する場合§
ペプチドのコンテント分析/窒素元素分析 ペプチドのコンテント分析ではペプチド調製液中の窒素元素量を測定します。調製液中のターゲットペプチド量はモル比により算出されます。 コンテント分析が必要な状況:
分析結果の正確度と一貫性検証のためにペプチドの実質量を正確に測定する場合。
エンドトキシン分析 TachypleusamebocyteまたはLimulus amebocyteのライセートの凝固反応は再現性があり、これを使用することで0.001 EU/mLまでのエンドトキシンを検出することができます。 エンドトキシン(リポ多糖)はグラム陰性菌細胞膜の主要成分で、ペプチド合成工程において合成ペプチド調製液中に混入する可能があります。

リポ多糖は、低濃度でも細胞の生存率を低下させ、細胞を用いたアッセイでは免疫反応(サイトカイン分泌誘導)を生じさせる原因になります。

エンドトキシン検査が必要な状況:
合成ペプチドを、エンドトキシンに対する感受性が強い細胞、あるいは免疫反応を容易に生じる細胞を用いたアッセイに使用する場合。
水分含量の分析 凍結乾燥後も合成ペプチド調製液中に水分が残存していることがあり、その量はペプチドの吸湿性によって異なります。水分含有量はカール・フィッシャー滴定法を用いて測定しますが、水分の大半は親水性ペプチド中に保持されます。 水分含有率(%)により、合成ペプチド調製の総質量にバッチ間差を生じる可能性があります。バッチ間差を最小限に抑えるためには、ペプチド自体の正確な質量を把握することが重要です。

水分含量分析が必要な状況:
同じ合成ペプチドで質量のロット間差を最小限に抑えるために、保存ペプチドの濃度を正確に目的の濃度になるよう調製する場合。
pH 検査 ペプチドを水溶液中に溶解し(疎水性ペプチドの場合は溶媒を加えることがあります)、pHメータを使用して測定します。 ペプチド合成で使用する酸(TFAなど)は、ペプチド側鎖のアミノ残基やペプチドのN末端と反応して塩基を生じ、合成ペプチドが酸性化することがあります。pH値が低い場合はアッセイを阻害する可能性があります。

H検査が必要な状況:
合成ペプチドのpH値が最適であることを確認する場合。
NMR分析 NMR分析ではペプチドの物理化学的特性をミクロレベルで調べます。原子核の核磁気共鳴という物理的現象により得られる炭素や水素のスペクトルにより、合成ペプチドの純度測定や混在する不純物の特性を解析します。 NMR分析が必要な状況:
不純物の構造や成分を解明する場合。
LC-MS分析 LC-MSはペプチドの成分解析に使用され、ペプチド全成分の分子量をリアルタイムに測定することができます。 LS-MS分析が必要な状況:
ペプチド成分の特性をリアルタイムで調べる場合。通常はHPLCで得られたターゲットピークの確認や異性体の解明に用いられます。
安定性検査 安定性検査では、使用した溶媒中のペプチドの安定性を調べます。溶媒中に長時間放置したペプチドのHPLCおよびMSによる分析結果が提供されます。 安定性検査が必要な状況:
別の溶媒中での安定性と比較する場合。
ペプチドシークエンシング エドマン分解法によりペプチドのN-末端側からアミノ酸を1個ずつ切り出し、HPLCで分離します。合成ペプチドN-末端側からすべてのアミノ酸を同定します。 ペプチドシークエンシングが必要な状況:
ペプチドの1次構造を決定する場合
特殊旋光度測定 ペプチドに不斉炭素原子が含まれている場合、平面偏光はペプチド溶液を通過することにより偏光面が回転します。特殊旋光度測定ではこの角度(旋光度)を測定します。 HPLC-UV-fluorescence特にキラルアミノ酸を含む)の旋光性や純度を調べる場合。
HPLC-UV-fluorescence ペプチドに蛍光色素分子が含まれている場合、HPLC-UV-fluorescence検出は高感度で特定シグナルも検出できるため、UV検出器単独での測定より有用です。 HPLC-UV-fluorescence分析が必要な状況:
ペプチドに蛍光色素分子(FITC、AMC、FAM、DABCLY、TMRなど)が含まれている場合。
注:

これらの検査結果を用いてマスバランス計算(ターゲットペプチド% + 不純物% + カウンターイオン% + 水分含量% = 100%)をすることにより、合成ペプチド調製における各成分の占める割合を確認することできます。

§ターゲットペプチドの量は、ペプチドの総質量 x Netペプチド質量 x HPLC純度によって算出されます。Netペプチドにはターゲットペプチドとペプチド不純物(欠失ペプチドなど)が含まれていますが、カウンターイオンや水分は含まれていません。

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