エンドトキシンは、大腸菌など細菌(グラム陰性菌)の細胞壁外膜の構成成分であるリポ多糖やリポグリカンで、脂質と多糖が共有結合により構成されたものです。多糖はO抗原、外部コア、内部コアの3部分から構成されています。エンドトキシンは、細菌構造の安定化に寄与しており、膜構造の完全性を維持するとともに細菌をストレスから防御する役割も担っています。
業界随一の厳格な品質管理基準の下、高品質のプラスミドDNAを必要量調製します。
品質基準:Industrialグレード:スーパーコイルプラスミド90%±5%、エンドトキシン≤0.01 EU/µg。
QC項目 | 分析方法 | 品質基準 |
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外見 | 目視検査 | 透明で不純物が確認されないこと |
A260/280 | NanoDropによるUV吸光スペクトル検査 | 1.8-2.0 |
濃度 | UV吸光スペクトル検査 | 基本設定 1 mg/mL ※ご希望の濃度での提供も可能 |
スーパーコイルプラスミドの割合 | アガロースゲル電気泳動 | グレードに応じる (Industrialグレード:スーパーコイルプラスミド90%±5%) |
制限酵素による解析 | 制限酵素消化後に電気泳動 | 参考パターンと一致すること |
残存RNA | 電気泳動後に目視検査 | 当該バンドが確認されないこと |
ゲノムRNA | 電気泳動後に目視検査 | 当該バンドが確認されないこと |
エンドトキシン量 | Limulus Amebocyte Lysate(LAL) アッセイによる検査 |
グレードに応じる (Industrialグレード:≤ 0.01 EU/μg) |
バイオバーデン試験 | バイオバーデン(資料中の微生物数測定) | 寒天プレートっで48時間培養後にころに形成が認められないこと |
スーパーコイルプラスミドの割合は分析方法や輸送状況により変化する場合があります。
エンドトキシンは、大腸菌など細菌(グラム陰性菌)の細胞壁外膜の構成成分であるリポ多糖やリポグリカンで、脂質と多糖が共有結合により構成されたものです。多糖はO抗原、外部コア、内部コアの3部分から構成されています。エンドトキシンは、細菌構造の安定化に寄与しており、膜構造の完全性を維持するとともに細菌をストレスから防御する役割も担っています。
エンドトキシンは、プラスミド精製後のダウンストリーム試験に影響を及ぼす可能性があります。あるレベル以上のエンドトキシンが混在していた場合、細胞へのDNAトランスフェクション効率が低下します。さらに、遺伝子療法に使用する場合には、動物やヒトで発熱症状などの副作用を生じることがあり有害となり得ます。
要望に応じてエンドトキシンレベルを様々に調製することをお奨めしています。プラスミドDNA調製を依頼する際は、まず弊社の研究グレードプラスミド調製サービスをご検討下さい。このサービスでは、エンドトキシン除去プロセスは含まれていませんが、それ以外の厳格なQC試験を行います。弊社で最も厳しいQC試験は産業グレードプラスミド調製サービスで、現在、市場で最も低いエンドトキシンレベル≤ 0.01 EU/µgを保証しています。
また、Endotoxin Removal Processとは、プラスミドDNA調製工程における分離過程のことで、除去処理の最終段階で化学薬品を使用しエンドトキシンを最大限除去するプロセスです。
LAL Assay | Quantitative LAL Assay | |
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説明 |
ゲルクロット法により、サンプル中のエンドトキシンの混在を確認します。サンプルとリムルス変形細胞ライセートをエンドトキシンフリーチューブ中で混和し、37℃で60分間インキュベーションします(図1)。その後チューブを傾けて混合溶液が凝固しているか目視により確認します。サンプル中のエンドトキシン量が基準値以下の場合は溶液状態を維持していますが、基準値を超えている場合はチューブ底部における凝固が確認できます(図2)。 |
LALエンドポイントアッセイ(比色法)は、グラム陰性菌のエンドトキシンを定量検査する方法でキット化されています。サンプルを、キットに含まれているLALと混和し37℃±1℃で10分間インキュベーションした後、基質溶液を加えてさらに6分間インキュベーションします。その後、分光光度計により波長405~410 nmで吸光度を測定します。吸光度の値は存在するエンドトキシン量と正比例関係にあるため、標準曲線からエンドトキシン濃度を算出することができます。 |
プロセス & 結果 |
以下の表は、研究グレードプラスミド調製サービス (エンドトキシンのQC検査無) と 産業グレードプラスミド調製サービス (エンドトキシン≤ 0.01 EU/µg3)それぞれにより調製されたプラスミドが適する実験の一例です。ご参考下さい。
1 | 研究グレード |
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2 | 産業グレード |
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